CASE STUDY導入事例

ソリューション:物流自動化インテグレーションサービス

サンワサプライ株式会社さま

40度を超えるコンテナ内の作業をゼロに。荷降ろしの自動化で、作業環境の改善と省人化を同時に実現

パソコン・タブレット関連製品からデジタル家電、オフィス家具まで、約15,000アイテムを企画・開発するサンワサプライさま。海外から届くコンテナの荷降ろし(デバンニング※)は、夏場には40度を超える庫内で重量物を扱う、負担の大きい工程でした。SGシステムは、XYZ Roboticsの自律移動型単腕ピッキングロボット「RockyOne」を提案。東日本物流センターでの実証実験・本導入を経て、西日本物流センターへも展開しています。コンテナ内の作業者はゼロとなり、荷降ろしにかかる人員は5〜6名から2〜3名へと半減しました。

※デバンニング・・・コンテナから貨物を取り出す荷下ろし作業のこと

導入サービス
  • 倉庫管理・改善
  • LOGI-IT
物流自動化インテグレーションサービス

サンワサプライ株式会社 森本 直樹氏

課題と成果

課 題
・夏場は40度超。冷風機では解決できない作業環境

コンテナ入口を冷やしても奥との温度差は5度以上になり、長時間の連続作業には無理があった。

・重量物を人手で降ろし続ける負担

キャビネットや椅子など重量のあるオフィス家具は、荷降ろし自体が重労働。

・混載コンテナに対応できる自動化手段がない

複数サイズの荷物が混在するコンテナの荷降ろしに対応できるロボットが少なく、ソリューションが限定的。

効 果
・コンテナ内の作業者ゼロを実現

条件が整えば、ロボットによる連続荷降ろしで20フィートコンテナ1本の荷降ろしを約30分で完了できるレベルに到達。

・荷降ろし全体の人員が半分に

作業者は、コンテナ内に入らず流れてきた荷物のパレット積みに専念できるようになり、5〜6名から2〜3名になった。

・現場から改善要望が上がる運用へ

導入当初の抵抗感が解消し、「次はこうしてほしい」という次段階のリクエストが出るようになった。

プロジェクトの背景

重量物と酷暑。人手に頼り続けることに限界があった

当社は、小物の軽量なデジタルアクセサリから、キャビネットや椅子といったオフィス家具まで扱っています。作業負担が大きかったのは家具類で、「人の手で降ろし続けるのはしんどい」という声が現場から上がっていました。

そこに、近年の夏の暑さが重なります。冷風機でコンテナの入口を冷やすことはできますが、入口と奥とでは明らかに温度差が出る。5度以上は違うと思います。夏場のコンテナ内は場合によっては40度を超える状況になりますから、手作業でやるのは過酷と言わざるを得ません。

この状態を解決しないと、業務を担っていただける方を確保することは難しいと考えていました。効率化や省人化よりも、まずは作業環境を改善することが最優先でした。

導入の経緯・効果

「最初から100点は取れない」を前提に、60点から積み上げる判断

SGシステムとは以前からお付き合いがあり、物流効率化の課題を共有していくなかで、「XYZ Roboticsのデバンニングロボットはどうか」とご提案いただいたのが始まりです。

デバンニングロボットは市場に存在しますが、当社の求める要件を満たすものは多くありませんでした。最初にSGシステムから複数のメーカーの紹介を受けましたが、混載コンテナの荷降ろしに対応できるアーム型ロボットは、XYZ Roboticsを含めごく限られていました。また、多くの製品は作業者がコンテナ内で荷物を扱うことを前提とした方式であり、当社が目指す自動化の方向性とは異なっていました。

RockyOneを選んだ理由は、ロボットがコンテナの中に入り、カメラで荷物を認識して、事前に登録された複数サイズの荷物をコンテナから自動で取り出せる点でした。重量も30キロまで対応できるため、ノックダウン状態で梱包された椅子やキャビネットも取り出せるのは、ありがたかった。

導入判断にあたっては、実証実験に加えて、当社の商品の何割が取れそうか、20フィートコンテナで1時間あたり何個降ろせるかというシミュレーションもお願いし、それを踏まえて総合的に判断しました。

もっとも、当社には「最初から100点は難しい、点数はやりながら積み上げていくものだ」という考えがあります。そのため、まずは60点からスタートし、実運用を通じて徐々に完成度を高めていければよいと考えていました。設備は導入して終わりではなく、現場で運用しながら改善を重ねることで価値が高まるものです。だからこそ、ロボットメーカーの技術力に加え、SGシステムによる導入後のサポートや運用支援が期待できたことが、導入を後押しする大きな要因になりました。

設置場所の調整が、最も大きな山場だった

実運用に至るまでで一番大変だったのは、設置場所です。ロボットと伸縮式コンベアに加え、作業者の安全を確保するための安全柵をセットで設置しなければなりません。これまではコンテナが着いたときにフォークリフトさえ走れれば自由に使えていたスペースが、安全柵やコンベアがあることで使えなくなる。現場からすると、作業手順や動線をどうするかという問題が出てきます。業務のすり合わせは、大変な作業でした。

現場の反応も、最初は拒絶反応だらけだったと思います。自分たちの業務のやり方を変えなければならない上に、ロボットの性能もわからない。これを解消できたのは、SGシステムの担当者が両拠点へかなりの回数通ってくれたから。レイアウト案は現場の担当者と直接すり合わせ、操作教育では2週間ほど現場に入り、操作方法だけでなく「こういう商品では、こういう理由でロボットが止まる」というところまで説明してくれました。

テスト稼働を重ねるなかで、現場も「こういう感じなのか」と自分の目で確認できるようになり、次第に「ではこういう運用方法があるのでは」という次のステップに進んでいきました。すべてが順調だったわけではありませんが、「このスピードで荷物が出せるなら楽だ」という現場の実感が積み重なって、徐々にハードルが下がっていったのだと思います。

荷降ろしにかかる人員が半分に

従来はコンテナ内で2〜3人が荷物を出す作業をしていましたが、今は誰も入らなくて済む。作業者は流れてきた荷物のパレット積みに注力できます。荷降ろし全体で5〜6人必要だったものが、2〜3人で済むようになりました。

現場からも「この暑さの中では非常に助かる」という声が出ています。導入当初は60点からのスタートでしたが、点数はかなり上がってきていると感じています。

POINT

  • 複数サイズの荷物が混載するコンテナにも対応するデバンニングロボット「RockyOne」を導入し、庫内作業を自動化
  • 夏場40度超のコンテナ内の作業者がゼロに。荷降ろし全体の人員も5〜6名から2〜3名へ半減
  • テスト稼働によりロボットを体感してもらうことで現場の抵抗感を解消し、改善要望が自発的に上がる運用体制を構築

今後の活用

写真左:営業担当 本多 日和

ボトルネックは、その先の工程へ移った

コンテナからは非常に速いスピードで荷物を降ろせるようになりました。一方で、パレットに積む工程はまだ人が行っています。日によってはコンベアのスピードを落として調整をかけることもあり、次はこの工程を改善したいという声が現場から出始めています。

運用の安定感も増しています。導入当初は想定外のことが現場で何度も起き、都度SGシステムに対応してもらいました。先行した東日本物流センターに比べ、後から導入した西日本物流センターでは比較的スムーズに立ち上げることができました。

同じような課題をお持ちの企業で、海外からコンテナで商品を輸入しており、ロボットの適用サイズに合う荷物の割合が高い現場では、特に効果が期待できます。
例えば、比較的サイズが揃った荷物を継続的に取り扱うケースでは、高い導入効果が見込めると思います。一方で、荷物の形状や構成によって適用性は異なるため、自社の荷物特性や運用条件に合わせて検討することが重要です。

取材撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
※本掲載内容は2026年8月時点のものです。

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