ソリューション:Biz-AI×OCR / AI-OCRシステム
株式会社インテックさま
AI-OCRの活用で帳票電子化を効率化し、業務負担を軽減
自治体向けに給与支払報告書※の電子化を担うインテックさま。自治体DXソリューション部では、繁忙期の膨大な帳票処理による負担軽減を目的に、OCR導入を検討されていました。しかし、手書き帳票やフォーマットの違いに対応できる製品がなく、従来のOCRでは導入に至りませんでした。そこで、SGシステムの Biz-AI×OCR を導入し、高精度な帳票デジタル化を実現。個人情報の観点で、オンプレミス環境での運用に対応しながら、業務工数の削減と超過勤務の抑制に貢献しています。
※給与支払報告書・・・給与支払者が従業員に対して前年支払った金額などを市区町村に提出するための書類
- スキャニング
- BPO-IT

株式会社インテック 自治体DXソリューション部長 石浦 亮氏
課題と成果
給与支払報告書の電子化業務において、手入力とダブルチェック体制により、繁忙期(1~3月)の超過勤務が常態化。
手書き帳票やフォーマットの揺らぎに対応できず、認識精度が50~60%と低く、導入が困難だった。
個人情報の観点でクラウド型OCRを利用できず、オンプレミス環境で運用可能なソリューションが必要だった。
Biz-AI×OCR導入により 工数を30%削減。繁忙期の超過勤務を大幅に減らし、土曜出勤も削減。
従来50~60%だった認識率が 95%まで向上。信頼度スコアを活用し、二重入力の負担を軽減。
個人情報を外部に出さず、セキュリティ要件を満たした形での運用が可能に。
プロジェクトの背景

繁忙期の業務負担を軽減するためOCR導入を検討
インテックは1964年の創業以来、情報化戦略の立案からシステムの企画、開発、アウトソーシング、サービス提供、運用保守まで、IT分野において幅広く事業を展開しています。自治体DXソリューション部では、自治体向けに給与支払報告書の電子化業務を行っており、毎年1~3月の繁忙期には50万~60万件の帳票処理を行っています。これまでは人の手で、初回入力と突合入力を行うダブルチェック体制をとり、99.5%以上の精度を維持していました。しかし、その分作業負担が大きく、繁忙期には超過勤務が常態化していました。人員確保も容易ではなく、業務の効率化が急務となっていました。
そこでOCRの導入を検討しましたが、従来のOCRは手書き帳票や自治体ごとに異なるフォーマットの揺らぎに対応できず、認識精度は50~60%ほど。この精度だと結果的に膨大な修正作業が発生し、かえって負担が増えてしまうため、実用化には至りませんでした。また、給与支払報告書には個人情報が含まれるため、クラウド型OCRは使用できず、オンプレミス環境で運用できるソリューションを求めていました。
導入の経緯・効果

精度95%以上のOCR導入で業務効率化と負担軽減を実現
Biz-AI×OCRを知ったのは、親会社であるTISの紹介によるものです。TISの別部門がSGシステムと取引があり、「手書きやフォーマットの揺らぎに強いAI-OCRがある」と聞き、半信半疑ながらも試してみることにしました。
試験運用を開始したのは、2023年10月のこと。試験運用の結果、Biz-AI×OCRは初期段階から95%の認識精度を達成し、手書き文字やフォーマットの違いにも高い対応力を持つことを確認できました。導入にあたっては、SGシステムの担当者と現場の入力を行うメンバーが密に連携し、OCRが認識したデータの信頼度スコアを活用する仕組みを整えました。その結果、AIが精度に自信があるデータのみを採用し、不確実なデータは従来通り人が確認することで、入力作業の工数を30%削減に成功したのです。
さらに、Biz-AI×OCRはオンプレミス環境で運用できるため、個人情報を外部に出さず、安全性を担保しながら業務を効率化できました。導入から2年が経過した現在も安定して運用できており、さらなる業務改善に向けた取り組みも進めています。

POINT
- 手書きやフォーマットの揺らぎに強いBiz-AI×OCRを導入し、帳票認識制度を95%以上に向上。人手の確認負担を大幅に削減
- 工数を30%削減し、繁忙期の超過勤務・土曜出勤を抑制。業務効率と職場環境の改善を実現
- オンプレミス環境に対し、個人情報を守りながら安全に電子化業務を推進
今後の活用

写真左:営業担当 源河 卓
活用領域の拡大と、ノウハウ共有により業界全体の効率化へ
現在も安定した運用を続けていますが、さらなる業務改善に向けた取り組みも進めています。現状、認識精度は95%以上と高い水準にありますが、より精度を向上させることで、人の確認作業をさらに減らし、効率化を図りたいと考えています。そのためにはOCRの認識アルゴリズムの調整や、読み取り精度のさらなる向上に向けたSGシステムとの連携が欠かせません。
また、現在は給与支払報告書の電子化にBiz-AI×OCRを活用していますが、今後は他の帳票業務にも適用を検討しています。特に、自治体や企業の紙帳票のデジタル化はまだ多くの課題が残っており、OCRを活用することで大幅な業務効率化が期待できます。SGシステムでも、より多様な帳票フォーマットに対応できる機能の開発を進めており、2025年中には新たなバージョンのリリースを予定しているようです。これにより、少量多品種の帳票にも対応できる可能性が広がるため、新たな活用方法を模索していきたいと考えています。
また、TISインテックグループで入力業務を担当する他の企業とも情報交換を行い、OCRの活用方法や業務効率化のノウハウを共有しています。他にも、毎年開催される業界の会合では、SGシステムの担当者にも講師として登壇していただき、Biz-AI×OCRの活用事例や最新の技術動向について説明してもらいました。今後もこうした機会を活用しながら、業界全体の業務効率化に貢献していきたいと考えています。
取材撮影にご協力いただき、ありがとうございました。
※本掲載内容は2025年3月時点のものです。
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